2021年12月3日に日本で全国ロードショーを控えている「ヴェノム: レット・ゼア・ビー・カーネイジ」
そもそもこのヴェノムのキャラクターはどこから来たのか?
何なのか?
スパイダーマンとの関係は?違いは?
など基本情報をご紹介します。
映画の背景やキャラクターの相関関係を知って観れば、知らないで観るより楽しみが大きくなりますよ。
スパイダーマンの最新作「スパイダーマン/ノーウェイホーム」も2022年お正月に全国ロードショーが決定していますから、ここでしっかりこの2つの作品関係を頭に入れて、年末年始に向けてのエンタメ大作にどっぷり浸かる準備運動と行きましょう!
ヴェノムとスパイダーマンの関係と違いは何?
「ヴェノム」新シリーズ読み始めた。
全てのシンビオートを統べる力を得たエディ・ブロックは、4人のシンビオート(ジョン、ポール、ジョージ、リンゴ)を遣い、今日も宇宙の平和を守っていた。「息子もスパイダーマンも今の自分を誇りに思うだろう」そう満足するエディ。突如リンゴが裏切るまでは…。 pic.twitter.com/Z05URHiyK6— BWTT (@BoyWithTheThorn) November 15, 2021
「ヴェノム」はマーヴェル・コミックに出てくる謎だらけのヴィラン(=悪役)の一人(一匹?一体?)です。
スパイダーマンは超人的な能力を身に着けた人間、ヴェノムは人間の中に住み着いた地球外生命体。
ヴェノムには自分の意志や思考、信念、美学といったものがあります。
変身ヒーローもの、という考え方もあるかもしれませんがこれは当てはまりませんね。
1体の中に別の人格が共存していますから。
この2人、関係無くはないんですよね。ずばり!と言いたいところですが、ちょっと複雑なので寄り道します!
スパイダーマンとの関係をお話するその前に、映画プチ情報で基本を。
「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」 を観ようと思っている皆さんは、マーヴェル・コミックスをご存じだと思います。
詳しくは知らなくても名前だけは聞いたことがあるのではないでしょうか?
マーヴェル・コミックス
アメリカのニューヨークに本社がある超大手漫画出版社です。
いろいろな変遷を経て今はウォルト・ディズニー・カンパニーの傘下にあります。
発足は1939年。
第二次世界大戦中に「キャプテン・アメリカ」などの人気キャラクターを生み出したことで知られ、アメリカでコミック雑誌の出版社と言えば真っ先に名前が挙がるところです。
現在のマーベル・コミックスの形になったのは1957年。
アメリカのスーパーヒーローものはほぼほぼこの会社から生まれています。
ざっと上げても以下のタイトルが出版されています。
あー、これね、とすぐわかる超人気作品ばかりですね。
スパイダーマン(Spider-Man)
キャプテン・アメリカ(Captain America)
X-メン(X-Men)
デアデビル(Daredevil)
ハルク(Hulk)
パニッシャー(Punisher)
ファンタスティック・フォー(Fantastic Four)
シルバーサーファー(Silver Surfer)
ドクター・ストレンジ(Doctor Strange)
アイアンマン(Iron Man)
マイティ・ソー(Thor)
ゴーストライダー(Ghost Rider)
ウルヴァリン(Wolverine)
ブレイド(Blade)
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(Guardians of the Galaxy)
アベンジャーズ(Avengers)
トランスフォーマー(Transformers)
劇場未公開作品、テレビもの、アニメなど上げたらきりがありません。
実写版の映画だけでも相当な数があります。
その中でも人気キャラと言えば「スパイダーマン」。
主人公はもとより、敵役に関しても絶大な人気を誇るものが多いです。
行儀は悪いわ、「俺様」常識で周りを混乱させるのに何故か憎めないアンチヒーローたち。
正当派ではないヒーローたちが活躍するのがマーヴェル・コミックの面白さでもあります。
では、スパイダーマンとヴェノムの簡単な設定を見ていきましょう。
スパイダーマン
サム・ライミ監督が2002年に撮ったのが第1作。
トビー・マグワイヤ、ウィレム・デフォー、キルスティン・ダンストらが出演していました。
コミックブックを原作とした映画としては最も成功した映画として金字塔を打ち立て、その後のシリーズ化につながりました。
主人公は幼いころに両親を失った孤児の地味なティーンエイジャー。
好きな子にも恋心を打ち明けられず、いじめにも合うという、思春期ならではの悩みも抱えるごくごく一般的な若者です。
ところが研究室で放射能を浴びた蜘蛛に嚙まれてしまい、蜘蛛由来の特殊能力を身に着け、様々な悪と闘っていきます。
スパイダーマンでは主人公の成長や、愛する人を失った悲しみ、身に着けた力とその責任の大きさ、自分の正体など悪との戦いだけでなく自分が背負っているものも描かれています。
ヴェノム
スパイダーマンのようにスーツは着ていません、はい。
宇宙から来た生命体(シンビオート)で、地球上で生存するためには何かに寄生しなければなりません。
ヴィジュアル的に、未確認生命体感が満載のルックスで凶悪感と嫌悪感をてんこ盛りにしているヴェノム。
ヒーロー映画のお決まりは良い人ヒーローVS巨大な悪で描かれますが、第1作のヴェノムは仲間割れのようなヴィラン(=悪役)のヴェノムVSヴィランのライオットが戦います。
ここで闘いの背景を映画の冒頭から観ている観客は、悪であるはずのヴェノムに知らず知らずのうちに入れ込んで行きます。
人間を頭から丸かじりして食べてますけどーーーー。
人間を人間で殴って殺してますけどーーー。
でもチョイチョイ色々なところでグロかわいい言葉をポロっというのが愛嬌があっていいなぁ。
戦闘能力は、しょっぱなからヴェノムが認めているようにライオットの方がブッチギリの格上。
となると、観客はヴェノムに肩入れして応援したくなりますよね。
コスチューム
ヴェノムはコスチューム着てません、と言いましたが、実はコスチュームに関係はあります。
スパイダーマンが異星で手に入れた黒いコスチュームがあります。
これが関係しているんですよねーーー。
どの映画を見れば関係性がわかる?
ああ、これ背景スパイダーマンの眼の形っぽくなってるのね。
あれ…
あっ…(察し)#スパイダーマンNWH #スパイダーマンノーウェイホーム #SpiderManNoWayHome pic.twitter.com/0guYgdjkZj
— きゃっぷ (@cinema_0608) November 15, 2021
「格好いい」を前面に出した勧善懲悪の優等生のスーパーヒーローが輝くためには、魅力的な悪役も必要。
闇があるからこそ星は輝く!
このヴェノムのキャラクターは映画用として作り出されたキャラではなく、原作のコミックの中にしっかり登場している重要なキャラです。
絶大なる人気を博して事務所から独立して個人事務所立ち上げちゃった、的な?!
超人気コミックからスピンオフした大型新人がヴェノムなんです。
始まりはお察しの通り「スパイダーマン」!!
スパイダーマンの最強の宿敵として描かれているのがヴェノムです。
実写版となる映画ではサム・ライミ監督が撮った2007年の「スパイダーマン3」にヴェノムが初登場となります。
もともとはスパイダーマンに寄生していた地球外生命体であるシンビオートがエディ・ブロックに寄生して誕生したのがヴェノムだったんです!
前出のスパイダーマンが宇宙で手に入れた黒いコスチューム。
地球に戻ってから体に異変が起き、それがコスチュームの形状をした地球外生命体(シンビオート)で、身に着けたものの体を乗っ取るのだということに気づきます。
シンビオートを休眠させることに成功したものの、スパイダーマンを逆恨みしていた人気ジャーナリストだったエディがそれを見つけ、そのボディビルダー並みの優れた躯体、根深い恨み、憎悪がスパイダーマンに寄生していた地球外生命体と融合することで、スパイダーマンの超能力を知っているモンスターになったのです。
黒スパイダーマンにはそういう誕生秘話があります。
コスチュームではないけれども、人間の肉体をまとって地球上で活動するという意味では逆コスチュームのアンチヒーローなのかも?
サム・ライミのせいじゃない
どうもこの超人気キャラのヴェノムの描かれ方を「スパイダーマン3」を観たヴェノムのファンは満足していなかったよう。
偉大なヴィラン(=悪役)のヴェノムが有していた沢山のファンのキャラへの愛の大きさを映画製作サイドは過小評価してしまったんでしょうかね。
それもこれもソニー・ピクチャーズが次なる大作を仕込みたくてスパイダーマンへのヴェノムの登場を決めてしまったからのようです。
これって、ヴェノムがスパイダーマンに番宣で出たってことかな(笑い)。
最初の2作品に関しては、非常に多くのコントロールを与えてくれていました。どころが3作目では意見が分かれてしまい、いわば私がクリエイティブ・コントロールすることができなくなってしまったのです。
これは2009年のインタビューでサム・ライミ監督が EMPIRE MAGAZINE に語った言葉です。
ヴェノムの「スパイダーマン3」への登場はスタジオ側の決断であり、それはソニー・ピクチャーズが超大型のスピンオフ映画を生み出すことを期待していたから、ということらしいです。
サム・ライミ監督には罪がない!
とにかくヴェノムの初登場を観るならば、期待通りか期待外れかは別として「スパイダーマン3」ということです。
まとめ
『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』予告2 2021年 全国ロードショー #ヴェノム #カーネイジ https://t.co/gMT4TBGV7Q
これは楽しみ
— Q a.k.a. 骨折 (@drums_Q) July 11, 2021
これまた大人の事情としては、映画界の様々な権利関係が影響を及ぼしている例がここにあります。
もともとはマーヴェル・コミックスの中に登場していたスパイダーマンとヴェノムですが、実はマーベルは自社所有の映画会社の「マーヴェル・スタジオ」ではこの2人を共演させることができないのです。
マーヴェルから生まれたアイアンマンやらアベンジャーズやらヒーローキャラが全員集合する映画が作れてもいいようなものなんですが、「スパイダーマン」と「ヴェノム」の映画化権はソニー・ピクチャーが所有しており、この2人はマーベル・スタジオ製作で作ることができないのです。
共演させるにはそれぞれの映画化権を持ってるスタジオ同士が業務提携しなければならず、早々か簡単に人気悪役を別のマーヴェル・コミックの実写版に登場させることが困難であるという大人の事情があります。
大人の事情はコミック内での設定以上に関係がこじれています。
スパイダーマンと言えば、「スパイダーマン/ノーウェイホーム」は2021年12月17日に全米公開が予定されています。
こちらの日本公開は3週間遅れの2022年1月7日!
アンチヒーローが好きな方は「ヴェノム: レット・ゼア・ビー・カーネイジ」を劇場で是非どうそ!