2022年1月14日に日本劇場公開を迎える「ハウスオブグッチ」
崩壊していくグッチ家の人々を演じる俳優は、アカデミー賞にノミネート実績のある俳優どころか、オスカー受賞者だらけ。
受賞者はレディー・ガガ、ジャレッド・レト、ジェレミー・アイアンズ、アル・パチーノ。
ノミネート者はダム・ドライバーもサルマ・ハエック。
これからの季節、アカデミー賞にどう「ハウスオブグッチ」が絡んでくるのかは見ものですね。
劇場公開がまだ始まっていない「ハウスオブグッチ」の次のウィンドウの話をするのは、気が早いですが、オミクロン株が猛威を振るい始めていることもありますし、劇場公開後にどの配信サービスに上るのかも気になるところです。
配信チャンネルと言えばNetflix、Amazon Prime Video 、Hulu、U-NEXT、dTV、などなど。
中でもNetflixは絶大な人気を誇っていますが、「ハウスオブグッチ」のストリーミング配信をいち早く手掛けるのはどこになるのでしょうか?
ハウスオブグッチNetflixでの配信はあるか?
結論から言うと、あくまでも私見ではありますが多分ないと思われます。
それはストリーミング・プラットフォーム業界における2021年の勢力争いが関係しているからです。
アメリカの事情
「ハウスオブグッチ」はMGM映画です。
MGMとUnited Artists Releasing はEPIX以外の主要なところとは一番最初の配信契約を結んでいませんでした。
何故なら・・・。
EpixはEpix Entertainment LLC が所有しているケーブルと衛星放送網です。
Epix Entertainment LLCの親会社はMGM。
MGMは激戦区であったストリーミング・サービス市場にEpixを通じて飛び込んだわけです。
EpixNowというサービスでは多くの作品を幅広く網羅するようなコンテンツではなく、MGM、パラマウント、ライオンズゲートの映画の多くをカバーする配給契約を結んでいました。
ですが、このコンテンツライセンス契約が失効したことでライオンズゲートなどの作品など沢山の映画がEpixNowから離脱した模様です。
日本の事情
MGMの映画はアメリカ国外では、ユニバーサルピクチャーズによって配信されるようになっています。
もともと、映画の配給権とそれ以降のウィンドウの権利関係はMGM作品に限らず、細かい規定やバラバラに売られている、など分かりにくいところが多いものです。
例えば「007」シリーズの配給権争奪戦が2018年に巻き起こってた時は、製作も手掛けるMGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)がアンナプルナ・ピクチャーズとの提携により北米配給を、そしてユニバーサル・ピクチャーズが海外配給を担当することに決まりました。
「007」シリーズの配給権は、一つ前の作品「007 スペクター」(2015)を最後にして、アメリカのソニー・ピクチャーズとの契約が切れていました。
2017年秋に、MGMがアンナプルナ・ピクチャーズと提携して北米配給を2018年から再開することを発表していたために、次作に関しても同2社の提携で北米配給されるとの大方の予想通りになりました。
MGMはこの作品では北米配給のほか、デジタルと世界中のテレビ放映権も所有してました。
MGMは日本に支社はありませんから、ユニバーサル・ピクチャーの力を使って日本のストリーミング販売等もお任せしていたわけですが、ユニバーサルピクチャーズの最初のストリーミングのチャンネル契約は結構Netflixに行くことが多かったんですけどね。
Amazon と Netflix と MGM
ここで昨年度の大きなニュースが影響を与えると思われます。
Amazonは2021年に84.5億ドル(発表当時約9,200億円)でMGMを買収することを発表しました。
勿論、アマゾンが目論んだのは Amason Prime Video向けのコンテンツの拡充です。
これは配信サービスを行っている会社のコンテンツライブラリの優良、多寡にかなりインパクトを与える買収です。
NetflixとAmazon Primeはユーザー獲得でしのぎを削ってきましたが、Nextflixに押され気味だったのが事実。
オリジナルコンテンツを作っていく方向に各社力を入れてはいますが、手っ取り早いのは過去の豊富なコンテンツライブラリとIPを所有する企業を買収する手です。
MGMはメトロ・ゴールドウィン・メイヤーの略。
映画の劇場公開黄金期を支えた大会社でしたが、経営難に見舞われ、なんども経営母体が変わってきました。
ユナイテッド・アーティスツ、テッド・ターナー、ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメントなどです。
過去の歴史から言っても買収の候補に挙がりやすい企業であったMGMは、とうとうAmazonに買収された、というわけです。
新型コロナウイルスのパンデミックと映画館の閉鎖によるストリーミング・プラットフォームの支配を要因として、スタジオの売却の可能性を検討し始めたMGMとコンテンツの拡充をもくろむAmazonの利害が一致したということです。
MGMの代表作は誰もが知っている「ベン・ハー」、「風と共に去りぬ」、「007」シリーズ、「ハンニバル」、「ドラゴン・タトゥーの女」、ロボコップ」、「トゥームレイダー ファーストミッション」、タイトルを上げたらキリがありません。
これら映画コンテンツのストリーミング配信契約が失効する際に、新たにNetflixが権利購入に動くかどうかは不透明でしょう。
NetflixとMGMテレビ部門が一緒になって作ったコンテンツに関してはNetflixオリジナル作品として出てますので、これがいきなり配信終了にはならないでしょうが、この部分もどうなるのか不透明ですね。
つまりはMGM作品はAmazonと深い絆を結んでしまった以上、特に新しいMGM作品はAmazn Primeに流れる公算が高いのではないのでしょうか?
Hulu
Huluを運営するHJホールディングスはパラマウントとコンテンツライセンス契約を結び、パラマウントの名作映画を配信しています。
代表作は「インディ・ジョーンズ」シリーズ、「トランスフォーマー」シリーズ、「ドリームガールズ」など。
「何で自分が契約している配信サービスにこの映画がないんだろう?」と謎に思っていた方々はこういった裏事情があることをお察しくださいwww。
勿論コンテンツ契約が切れれば、どういう条件で再契約になるのか、誰にライセンスが移るのか、この結果によってそれぞれの配信サービス会社のコンテンツの優劣、作品の多さ=ユーザーの満足度が変わってきますから、これからもこの業界は勢力図争いが激しいことでしょう。
Amazon、ユニバーサル新作映画を時差配信へ
2021年の7月8日、ロイター通信によると、『米Amazon.comは動画配信サービス「プライム・ビデオ」で、米コムキャスト傘下ユニバーサル・ピクチャーズの新作映画を、コムキャストの動画サービス「ピーコック」配信開始から4か月後に配信する契約を結んだと、両社が8日発表した』とありますから、Amazon はどんどんコンテンツを増やしていく方向にあります。
まとめ
◤ #NoActivity ◢
見どころをおさらい🚔
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👮♂️お荷物と人たらしの凸凹刑事バディ
👮♀️話を聞かない先輩に困惑する後輩?
😎招かれざる客に驚く犯人&人質
👈いよいよ犯人と接触!のはずが…?▼視聴ページはこちら🚨https://t.co/SSImirleLN pic.twitter.com/lEq85XQ2Fe
— Amazon Prime Video(プライムビデオ) (@PrimeVideo_JP) January 8, 2022
いよいよ2022年1月14日公開の「ハウスオブグッチ」。
映画と言えばそこに使われるスタイリッシュなアイテムの数々、俳優陣の身に着ける豪華衣装とハイブランドとの関係は切っても切れない間柄。
「ハウスオブグッチ」の入り組んだ愛憎劇はもちろんのこと、映画製作会社、配給会社、ストリーミングサービス会社の勢力図と栄枯盛衰も相まって、この作品がどこのストリーミングサービスに着地するのかも見ものです。
Netflixなのか、Amazon Prime Videoになるのか???
私は両方入っているのでNetflixでもAmazon Prime Videoもどちらでもいいですがーーーwww。
おうちで劇場映画を見る方法が簡単で種類も増えた今、劇場配給会社はコロナの影響もあって非常に苦しいところでしょうが、是非ともこういったエンターテイメント業界は全体で世の中を明るく、娯楽提供を安定して続けていってもらいたものです。